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2021.10.11

ハチ・ハチの巣の駆除手順を解説|自分で退治するやり方とは?

ハチとハチの巣の駆除・退治は危険な作業ですが、そのまま放置して巣が大きくなってしまうのは避けたいですよね。そこで本記事では、自分でできるハチ・ハチの巣の駆除方法をご紹介します。

準備するものや注意点をはじめ、ハチに巣を作らせない予防策もまとめたので、ハチの被害に遭う前に自宅に住み着いたハチを駆除しましょう。

ハチについて詳しく知る

ハチは警戒心が強いため、むやみに巣を揺らしたり、下手に刺激を与えたりしてしまうと攻撃してくる危険性があります。とくにスズメバチは攻撃的なことで知られており、巣に近付いただけで集中攻撃されることもめずらしくありません。

そこでハチ・ハチの巣の駆除方法を確認する前に、まず日本に生息するハチの種類や生態について理解を深めましょう。

日本に生息するハチ

日本には4,000種以上のハチが生息しており、攻撃的なハチもいれば比較的大人しいハチもいます。例えば、個体のサイズや羽音が大きいクマバチのオスは、そもそも針を持っていないため人を刺すことができません。またドロバチ・ハキリバチ・キバチなども、めったに人を刺さないハチと言われています。

一方で、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチは人を刺すハチの代表格であり、駆除・退治を行う際は細心の注意が必要です。以下に攻撃的な3種類のハチについてまとめたので、表を参考にハチの種類を見分けましょう。

ハチの種類 特徴 飛び方 巣の形状
スズメバチ ・最大で5cm程度の大きくがっしりとした体つき
・オレンジ色の体と黒色の脚(種類による)
・攻撃的で毒性が強い
すばやく直線的に飛ぶ ・丸型またはフラスコ型
・マーブル模様
アシナガバチ ・最大で3cm程度
・黄色の体と長い後ろ脚
・基本的には大人しい
・刺されたときの痛みがかなり強い
後ろ脚を垂らした状態でゆっくりと飛ぶ ・シャワーヘッドのような六角形の構造
・白または灰色っぽい色
ミツバチ ・1~2cm程度
・基本的には大人しい
・1つの巣に数千~数万もの個体が住んでいる
・毒針に返しが付いているので刺さるとなかなか抜けない
・スピードが速い
・離発着時は直線的に飛ぶ
・平べったい板状
・六角形の構造
・かなり頑丈

中でも日本に17種類生息しているスズメバチ属は、最も危険度の高いハチとして知られています。スズメバチ属は攻撃的かつ強力な毒を持っているので、巣を発見してもむやみに近付くのは避けましょう。

ハチの生態

昆虫綱ハチ目に分類されるハチは、社会性を持つ昆虫です。女王バチや働きバチなどそれぞれに役割があり、スズメバチやアシナガバチ、ミツバチなどは集団で行動します。

ハチの生態は多様で、スズメバチやアシナガバチは昆虫やクモなどをエサとしますが、ミツバチは花粉や花の蜜をエサとします。また活動時期にも違いがあり、スズメバチは7~10月頃、アシナガバチは7~8月頃に活発になる一方で、ミツバチは2~3月と10~11月に盛んに行動するようになります。

ハチや巣を見つけたら注意すること

ハチや巣を発見したときは、ハチを刺激しないことが肝心です。ハチや巣を見つけたら、姿勢を低くしてすみやかにその場から離れてください。

なお、ハチや巣を見つけたときにやってはいけない行動は、以下の通りです。

  • 巣に近付く
  • 巣を揺らす
  • 見張りのハチを刺激する
  • 大声で騒ぐ
  • 手で追い払う

ハチによる被害

日本では毎年多くのハチ被害が報告されており、とくにハチに刺される被害は年間で数千件にのぼります。ハチに刺されると痛みや血圧の低下、呼吸困難といった症状が現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。

ここでハチによる被害の深刻さを確認しておきましょう。

ハチに刺される

警戒心が強いハチは、危険を察知すると毒針で攻撃します。毒の成分はハチの種類によって異なり、毒の量はスズメバチが最も多く、最も強力な毒を持つのはセイヨウミツバチです。

ハチに刺されると痛みや血圧の低下が起こり、2回目以降は「アナフィラキシーショック」を起こすことがあるので要注意です。アナフィラキシーショックとは急激なアレルギー反応によって症状が強く現れることをいい、呼吸困難や意識障害などの症状が出て、最悪の場合は死に至ることもあります。

ただし、ハチがいきなり攻撃してくるケースは少なく、ほとんどの場合は最初に威嚇してきます。以下にハチの威嚇行動をまとめたので、ハチの威嚇行動を確認した場合はただちにその場を離れましょう。

  • 人の周りをまとわりつくように飛ぶ
  • 空中で停止する
  • 顎で「カチカチ」と音を立てる

住居に巣を作られる

ハチとハチの巣は雨や湿気に弱いため、雨風をしのげる場所に巣を作ります。住居でいえば、エアコンの室外機や軒下、屋根裏、庭の植え込み、物置など、雨が当たらないうえに人に見つかりにくい場所に巣を作ることがほとんどです。

とくに外敵から身を隠しやすく、ほどよく乾燥しているエアコンの室外機は狙われやすいので注意する必要があります。室外機の中に巣を作られた場合は、ファンや基盤を傷つけないように駆除しなければならないため非常に厄介です。また、軒下や屋根裏も作業しにくく、一般の方が駆除・退治するのは難しいでしょう。

ハチに刺されてしまった場合の対処法

どれだけ注意していても、気付かないうちにハチを刺激してしまい、ハチに刺されてしまうこともあります。ハチに刺されたときはすみやかに毒を絞り出し、30分以内に病院で診察を受けてください。

ハチに刺されたときの応急処置は、以下の通りです。

  1. 仲間のハチからの集中攻撃を避けるため、その場から離れる。
  2. 刺された箇所を指で強く握り、毒を絞り出す。(口で毒を吸い出すのはNG。)
  3. 傷口を水ですすぎ、冷やす。
  4. 抗ヒスタミン軟こうを塗る。
  5. 30分以内に病院へ行き、診察を受ける。

過去にハチに刺されたことがある人はアナフィラキシーショックを起こす可能性があるので、ただちに医師に診てもらう必要があります。また、毒液が目に入った場合は失明の恐れがあるので、水で目をすすいだらすぐに病院で診てもらいましょう。

ちなみに「ハチに刺されたら尿をかければいい」という噂は迷信であり、何の効果もありません。

ハチの巣を自分で駆除する方法と注意点

家でハチの巣を見つけたら、それ以上ハチの巣が大きくならないうちに駆除・退治したいところです。しかし、ハチの巣の駆除は難しいうえに危険も伴います。

そこでここでは、ハチの巣を自分で駆除する際の注意点から、準備するものや駆除の手順まで詳しくご紹介します。ただし、これ以上は危険と判断した場合は、ハチの巣の駆除・退治に精通した専門業者に依頼することをおすすめします。

駆除前の注意点

ハチは黒いものを敵だと判断して攻撃する習性があるため、ハチの巣を駆除する際は、黒の服を避けましょう。できれば白色の服を着用し、用意できない場合は淡い色の服を身に着けます。また、ハチは甘い匂いに引き寄せられるので、香水や整髪料、甘い匂いのするタバコ、柔軟剤などに注意してください。

なお、ハチの巣の駆除はハチの活動が鈍くなってくる夕方に行うのがベストです。ハチが活発に行動する日中や、周囲の状況を確認しにくい夜間の駆除はおすすめできません。

事前に準備するもの

ハチの巣の駆除をできるだけ安全かつスムーズに行うには、事前の準備が不可欠です。ハチの巣駆除に役立つグッズを表にまとめたので、一通り準備しましょう。

名称 価格帯
防護服(または白色または淡い色の長袖シャツと長ズボン) 2,500~110,000円(市役所でレンタルできる場合もある)
厚手の手袋 1,000~6,000円
長靴 4,000~10,000円
ハチ駆除用の殺虫剤 1,000~2,000円
1.5~2Lのペットボトル 150~300円
ハチ退治用の誘引剤(酒・酢・砂糖) 300~600円
長い棒 100~300円
ゴミ袋 100~200円

ここで、ハチの巣駆除に役立つハチ退治罠の作り方をご紹介します。用意したペットボトルと酒・酢・砂糖を使用して、ハチを捕獲しましょう。

  1. 「酒(焼酎orみりんorワイン)・酢・砂糖」を2:1:1の割合で混ぜ合わせる。
  2. 1の誘引剤を1.5~2Lのペットボトルの4分の1まで入れる。(ハチが溺死する深さ)
  3. ペットボトルの上部にH型の切り込みを入れ、ハチが入り込める大きさの入り口を作る。
  4. ハチが集まりすぎると危険なので、巣から離れた場所に設置する。
  5. 1週間ほど経過したら捕獲したハチを処分して、ペットボトルの中身を新しくする。

駆除の手順

続いて、ハチの巣の駆除方法を4ステップでご紹介します。手順に沿って正しく駆除し、ハチの被害を防ぎましょう。

  1. ハチ駆除用の殺虫剤を巣の入り口に噴射する
    ハチの巣から2~3mほど離れた場所から、巣の入り口に向けてハチ駆除用の殺虫剤を2~3分続けて噴射します。

  2. ハチ駆除用の殺虫剤を巣の中に噴射する
    もう少し巣に近付き、今度はハチの巣の中にハチ駆除用の殺虫剤を噴射します。同時に、巣の周囲に残っているハチにも殺虫剤を噴射し、駆除してください。

  3. 長い棒でハチの巣を落とす
    ハチの巣からハチが出てこなくなったら、長い棒を使って巣をゴミ袋の中に入れます。念のため、ゴミ袋の中に向かってハチ駆除用の殺虫剤を噴射しておきましょう。

  4. ハチの巣を可燃ゴミとして処分する
    回収したハチの巣は、自治体が指定するゴミ袋に入れて可燃ゴミとして出しましょう。

駆除後の注意点

ハチの巣を駆除したからといって、100%安心できるわけではありません。なぜなら、駆除の際にいなかったハチが戻ってくることがあるからです。こうしたハチを「戻りバチ」といいます。

戻りバチは1週間ほど飛び続けるので、こまめにハチ駆除用の殺虫剤を噴射して確実に退治しましょう。

確実にハチを駆除するなら専門業者がおすすめ

ハチやハチの巣の駆除・退治は、非常に危険な作業です。とくに室外機の中や屋根裏、軒下など作業しにくい場所に巣がある場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

ちなみに、自治体でもハチ・ハチの巣を駆除するサービスを提供している場合がありますが、多くはボランティアの方が担当します。そのため確実に駆除するには、経験豊富な専門業社に依頼するのがベストでしょう。

ハチに巣を作らせない予防法

ハチは雨風を避けられる場所に巣を作るので、確実に駆除したとしても再度同じ場所に巣を作りに来る可能性があります。そのためハチが入り込める場所に防虫ネットを掛けたり、定期的にハチ駆除用の殺虫剤を噴射したりと、ハチに巣を作らせない工夫を凝らしましょう。

また、風通しをよくするために庭木を剪定したり、ハチの巣があった場所にダミーのハチの巣をぶら下げたりする方法もおすすめです。さらにハチが嫌がるミント系の柔軟剤を使用したり、ハチの侵入場所にハッカ油や木酢液をスプレーしたりする方法も予防効果が期待できるでしょう。

まとめ

ハチに刺されると痛いだけでなく、場合によってはアナフィラキシーショックを起こすこともあります。アナフィラキシーショックを起こすと呼吸困難や意識の低下が起こり、最悪の場合は死に至ることもあるので、ハチを駆除する際は細心の注意を払わなければいけません。

このように、ハチや巣の駆除・退治は危険な作業です。自分でできないことはありませんが、確実かつ安全に駆除・退治するには専門業者への依頼がおすすめです。

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