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2021.10.01

コウモリを駆除する方法とは?退治に適した時期やグッズも紹介

コウモリの駆除・退治をお考えの方に向けて、コウモリの正しい駆除方法を4ステップでご紹介します。コウモリは繁殖力が強い害獣であり、気づいた時には100匹以上に増えているケースもめずらしくありません。

そんなコウモリを駆除・退治するために、駆除に適した時期や自分でできる対処法も知っておきましょう。

コウモリってどんな生き物?

コウモリといえば、吸血鬼を思い浮かべる方もいるでしょう。しかし、実際に血を吸うコウモリはわずか3種類しかおらず、中南米に生息しているため日本で見かけることはほとんどありません。

コウモリの駆除・退治方法を紹介する前に、まずはコウモリの生態や特徴を解説します。

コウモリの生態

哺乳綱翼手目に属するコウモリは、空を飛ぶ唯一の哺乳類です。翼をもつことから鳥類と混同されることがありますが、哺乳類であるコウモリの翼は鳥類の翼とは構造が異なります。

コウモリは約980種類近く存在し、日本には約30種類のコウモリが生息しています。日本で最も多く見られるのは、体長4~6cmの小さな「アブラコウモリ(イエコウモリ)」です。アブラコウモリは天井裏や瓦の下などに集団で住み着き、一晩で300匹もの蚊やユスリカをはじめとする小さな昆虫類を食べるといわれています。

そんなアブラコウモリの繁殖力は非常に強く、7月初旬に1〜4頭の子どもを出産します。寿命はオスで約3年、メスで約5年。出産を迎えるたびにコウモリはどんどん増えていくので、気付けば屋根裏に100匹以上のコウモリが住み着いていたというケースもめずらしくありません。

コウモリの特徴

日本に多いアブラコウモリは、体長わずか4~6cm、体重10g程ほどの小さな害獣です。羽を広げても20cmほどの大きさで、数あるコウモリの中でも小型の種として知られています。

以下にアブラコウモリの特徴をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

大きさ ・体長4~6cm(羽を広げると約20cm)
・体重10g
体の色 ・黒い褐色または茶色
・腹部は灰褐色
習性 ・夜行性
・ほとんど目は見えておらず、超音波で敵の位置を判断する「反響定位(はんきょうていい)」を行う
・小さな昆虫類を捕食する
・天井裏や瓦の下、羽目板と壁の間、換気口などを好んで住み着く
・11~3月頃まで冬眠する

 

コウモリによる主な被害5つ

体長5cmほどの小さなコウモリですが、コウモリによる被害はけっして小さくありません。とくに集団で行動するアブラコウモリの糞は、家屋にも人体にも悪影響を及ぼします。

ここではコウモリが引き起こす主な被害を5つご紹介します。これ以上被害が大きくならないように、早めの対処を心がけましょう。

騒音

夜行性のコウモリは、日没から夜にかけて「バサバサ」と羽をばたつかせます。この羽音はそれほど大きなものではありませんが、数が多くなるほどに音が聞こえるようになり、就寝時に気になって眠れなくなる方もいるでしょう。

また、超音波を発するコウモリの鳴き声は人間には聞こえませんが、危険を察知したコウモリの「キィキィ」という甲高い鳴き声は人間にも聞こえます。こうした不審な音がストレスとなり、不眠や集中力の低下を引き起こすこともめずらしくありません。

悪臭

コウモリによる被害の中でも、とくに困るのが糞害です。日本ではアブラコウモリが多く見られますが、アブラコウモリはわずか10gの小さな種でありながら一晩に数百匹の昆虫類を捕食します。体重が重いと飛びづらくなるため、軽い体重を保とうと何度も糞尿をすることになります。

消化時間は約50分といわれているアブラコウモリ。何十匹もの集団が何度も糞尿をするとなると、臭いは強烈なものになります。

害虫を引き寄せる

コウモリの糞は、糞をエサとするハエやゴキブリといった害虫を引き寄せる温床となります。コウモリは屋根裏などに住み着きますが、害虫が生活空間に侵入して病原菌を持ち込む可能性もあるでしょう。そのためコウモリが家に住み着いてしまうと、コウモリのみならず害虫まで駆除・退治する必要が出てきます。

家屋の老朽化

コウモリは軽い体重を保つために、毎日大量の糞をします。そのため糞や尿の湿気で天井や床が腐り、最悪の場合は天井が抜け落ちることもあります。

コウモリによる家屋への被害は甚大であり、修繕費や清掃費などの多額の出費を伴うことになるでしょう。

衛生的な被害

コウモリの糞は乾燥しやすく、粉々になって空気中を漂います。この現象を「エアロゾル」といい、エアロゾルによって病気に感染することをエアロゾル感染と呼びます。コウモリの糞には病原菌や寄生虫が含まれており、これを吸い込んでエアロゾル感染を起こすと、人体にさまざまな悪影響が出てきます。

コウモリの糞によって引き起こされる病気は、喘息やアレルギーが一般的です。しかし、海外ではヒストプラズマ症や狂犬病、アルボウイルス感染症といった病気を発症した人も確認されています。

コウモリの駆除・退治に適した時期

コウモリの駆除・退治には適した時期があり、不向きな時期に駆除すると効果が出ないばかりでなく、家屋や人体への被害がさらに大きくなる可能性があります。

それでは、コウモリの駆除・退治に適した時期はいつ頃なのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

春(4~6月)

コウモリの駆除・退治を行う時期は、コウモリの繁殖期の前がおすすめです。コウモリの繁殖期は7月頃なので、駆除・退治は4~6月を目安に行いましょう。

繁殖期を迎える前の駆除をおすすめする理由は、生まれたばかりのコウモリは飛ぶことができず、巣から追い出せないからです。その場合、母親のコウモリは巣から追い出せたとしても赤ちゃんコウモリは巣の中で死んでしまうため、屋根裏や瓦の下に死骸が残ることになります。

コウモリの死骸の除去は難しく、そのまま放置すると菌の温床になるため、繁殖期は避けて繁殖期前の時期である4〜6月に駆除・対策をしていただくことがおすすめです。

秋(9~10月)

コウモリは11~3月頃まで冬眠をするので、冬眠前の9~10月頃に駆除・退治を行うのもおすすめです。なぜなら冬眠に入ったコウモリはほとんど動かなくなり、巣から追い出すことができないからです。

死骸を巣に残した状態をつくらないためにも、コウモリが活発に動く秋を目安に駆除・退治しましょう。

コウモリの正しい駆除方法4ステップ

コウモリの存在に気付いたら、ただちに駆除・退治して被害を抑えたいところです。しかし、コウモリの駆除・退治は非常に手間のかかる作業であり、感染症をはじめとする危険も伴います。

そのため、コウモリの正しい駆除・退治方法を4ステップでご紹介します。ただし、自分で行うと手間がかかるだけでなく、エアロゾルなどによる感染リスクも高くなります。少しでも不安がある方は、害獣駆除に精通した業者への依頼も検討してみましょう。

1. 市役所で駆除の許可を取る

コウモリは「鳥獣保護管理法」で保護されており、勝手に駆除・退治するのは法律違反です。許可なくコウモリを駆除してしまった場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があるので注意が必要です。

コウモリを駆除・退治する際は、市役所で「鳥獣の捕獲等許可申請書」を提出して許可がおりるのを待ちましょう。必要書類や申請方法は自治体によって異なるため、あらかじめ自治体のホームページや電話で確認しておくのがベストです。

2. 巣から追い出す

コウモリは屋根裏や瓦の下などの暗くて狭い場所を好んで住み着くうえに、アブラコウモリは集団で行動するため捕獲するのは至難の業です。そのためコウモリを駆除・退治するには、巣から追い出すしかありません。

以下にコウモリを巣から追い出す際に便利なアイテムをまとめたので、ぜひ活用してみてください。

アイテム名 費用相場 使い方
忌避剤 1,000~5,000円 侵入経路に設置する
燻煙剤 1,000~1,500円 煙を発生させ、コウモリの巣に充満させる
ハッカ油 600~2,000円 侵入経路にスプレーする
獣よけ線香 1,000~2,000円 侵入経路に設置する

3.コウモリがいた場所を掃除・消毒する

コウモリを巣から追い出したことを確認したら、コウモリが住み着いていた場所の掃除・消毒をしましょう。コウモリの糞や死骸を放置していると、コウモリがもつ菌によって人体に悪影響が及びます。掃除する際にはマスクやゴーグル、使い捨て手袋などを着用し、消毒には次亜塩素酸ナトリウムのような殺菌効果のある薬剤を使用してください。

ただしコウモリは暗くて狭い場所を好むため、掃除・消毒は容易いものではなく、費用も1万以上はかかるでしょう。

4. 侵入経路をふさぐ

再びコウモリが家に戻ってこないように、侵入経路をふさぎます。コウモリは1〜2cmほどの隙間があれば侵入できるので、以下のアイテムを活用して侵入経路をふさぎましょう。

アイテム名 価格 特徴
金網(パンチングメタル) 1,000~2,000円 換気口や戸袋などの空気を通したい場所に使用する
シーリング材 500~1,000円 隙間を埋めるペースト状の材料
パテ 700~2,000円 隙間をきっちりふさぎたい場合におすすめ

コウモリは小さな隙間を通れるので、金網やパンチングメタルを使用する場合は、数ミリ程度の網目の細かいものを選びましょう。また、パテの中にはコウモリが苦手とするカプサイシン入りの害獣よけタイプもあり、通常のパテ以上の効果が期待できます。

コウモリの駆除・退治は専門業者に依頼するのがベスト

忌避剤や燻煙剤を用いて巣から追い出したとしても、コウモリを確実に退治できたかどうか確認するのは簡単なことではありません。また、コウモリを退治した後の掃除・消毒には感染症をはじめとする健康被害の危険も伴います。そのためコウモリが家の屋根裏や瓦の下を出入りしていることに気付いたときは、専門業者に依頼するのがベストです。

コウモリの駆除・退治の知識を有する専門業者であれば、駆除後の掃除や消毒まで担ってくれます。費用は業者によって異なりますが、相場は2〜6万円程度です。コウモリの駆除・退治をお考えの方は、ぜひ専門業者への依頼を検討してみてください。

【届出不要!】自分でできるコウモリ退治・予防法を紹介

コウモリを捕獲したり、殺処分したりするには許可が必要ですが、ただ巣から追い出すだけなら届出は必要ありません。

そこでここからは、許可申請を必要としないコウモリ退治の方法をご紹介します。あわせてコウモリが家に住み着かないようにする予防法も紹介するので、さっそく試してみてください。

1. 市販のコウモリ退治アイテムを使う

ホームセンターや通販サイトには、コウモリ退治に最適なアイテムが多数販売されていますが、忌避剤と燻煙剤は高い効果が期待できます。

そのほか、コウモリが嫌う匂いとしてハッカ油をスプレーしたり、コウモリの苦手なカプサイシンが含まれた獣よけ線香をたいたりするのもおすすめです。

なお、磁石を置くとコウモリが出す超音波を混乱させられるという噂がありますが、実際は磁石にコウモリ退治の効果は見込めません。またLEDライトのような強い光や、超音波発生装置も効果があるといわれていますが、退治できたとしても一時的なものであり、ほとんどのコウモリは慣れてしまいます。

2. 家の周りを掃除する

コウモリは小さな昆虫類を捕食するので、廃棄予定の野菜や果物、生ごみなど虫を寄せ付けるものはこまめに片付けておくことが肝心です。また、蚊取り線香や虫よけグッズを活用して、コウモリのエサとなる蚊やユスリカを寄せ付けないように対策しておきましょう。

3. コウモリの侵入経路をふさぐ

コウモリは非常に小さな害獣なので、1~2cm程度のわずかな隙間やひび割れから家の中に侵入してきます。そのため網目の細かい金網やシーリング材、パテなどで隙間をふさいだり、ひび割れを補修したりしておきましょう。

とくにコウモリが侵入しやすいポイントを以下にまとめました。

  • 屋根と壁の隙間
  • 瓦と瓦の隙間
  • 窓やドアの隙間
  • 通風口および換気口
  • 室外機の配管の隙間

4. コウモリの糞を掃除して消毒する

コウモリの糞は菌の温床であり、糞を放置していると感染症にかかる恐れがあります。また、コウモリの糞をエサとする害虫を寄せ付けてしまう可能性もあるので、コウモリを退治した後はすみやかに糞尿を掃除して消毒する必要があります。

コウモリの糞を掃除する際は、エアロゾル感染を防ぐために必ずマスク・ゴーグル・帽子・使い捨て手袋などを着用し、汚れてもいい服装で行ってください。しっかりと掃除できたら、次亜塩素酸ナトリウムのような殺菌力の高い薬剤を使用し、雑巾で拭き取りましょう。

【番外編】行政に相談して協力を仰ぐのもおすすめ

コウモリの駆除は困難かつ危険な作業であり、一般の方には退治することが精一杯かもしれません。とくに捕獲や死骸の処分は危険を伴い、糞の消毒は健康を害する恐れがあります。

そのためコウモリの駆除・退治にお困りの方は、市役所や保健所などの行政に相談してみることもありだと思います。地域によっては、信頼できる害獣駆除業者を紹介してもらえる可能性もあります。

まとめ

集団で行動するアブラコウモリが家に住み着いてしまうと、騒音や糞害をはじめとするさまざまな被害が生じます。ほかの害獣に比べると体が小さいからといって、油断してはいけません。コウモリの存在に気付いたら、すみやかに退治して侵入経路をふさぎましょう。

本記事では届出のいらないコウモリ退治の方法をご紹介しましたが、自分でできることには限界があります。確実にコウモリを駆除・退治し、きちんと家屋を消毒するには害獣駆除業者に依頼するのがベストでしょう。

住宅のリフォームを行う大帝リビングでは、コウモリの害獣駆除の依頼も承っています。あわせてコウモリの糞によってシミができた天井の補修も対応出来ますのでお気軽にお問い合わせください。