お役立ち情報

2021.11.04

鳥獣保護法とは?害獣駆除との関係性や対象の鳥獣を解説

鳥獣保護法は生態系のバランスを保つために、野生動物の捕獲や狩猟を管理する法律です。この鳥獣保護法は人や家屋に害を及ぼす害獣にも適用されます。つまり害獣駆除をするなら、まず鳥獣保護法について知っておく必要があるということです。

ここでは、害獣駆除と深い関係がある鳥獣保護法についてご紹介します。

鳥獣保護法って何?

鳥獣保護法とは、正式名称を「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」といいます。環境省によって制定されたこの法律は、一般的には「鳥獣保護法」や「鳥獣保護管理法」と呼ばれています。

鳥獣保護法を一言で説明すると、野生鳥獣を保護・管理するための捕獲や狩猟についてのルールです。この鳥獣保護法は生態系のバランスを維持するために必要な法律で、人や家畜に害を及ぼす害獣にも適用されます。

現在施行されている鳥獣保護法は、2014年に名称と内容が一部改正されました。以前は野生動物の保護を目的としていましたが、改正後は野生鳥獣の「保護」に加えて個体数や生息域の「管理」も目的とされています。

鳥獣保護法と害獣駆除の関係性

鳥獣保護法と害獣駆除には深い関係があり、鳥獣保護法を理解しないまま害獣駆除をしてしまうと、法律に触れる可能性があるので注意が必要です。

害獣駆除を検討している方は、ここで鳥獣保護法と害獣駆除の関係性を把握しておきましょう。

害獣駆除には行政の許可が必要な場合も

害獣が自宅に住み着いていることに気づいたら、すぐにでも駆除したいところです。しかし、害獣の中には鳥獣保護法で保護されている鳥獣もおり、行政の許可なく駆除してしまうと法律違反にあたるので要注意です。

人や家屋に害を及ぼす鳥獣を害獣といいますが、害獣も元をたどればただの野生動物です。そのため害獣だからといってむやみに駆除してしまうと、生態系のバランスが崩れてしまいます。生態系のバランスが崩れると、最終的には私達の暮らしにも影響を及ぼす可能性も出てくるため鳥獣保護法はあると考えられています。

鳥獣保護法で守られた害獣を駆除するには、市役所に「捕獲許可申請書類」や「捕獲場所がわかる図面」など、必要書類を提出して許可を得る必要があります。

害獣駆除に関する必要書類は自治体によって異なるため、ホームページや電話で確認しましょう。

許可なく害獣を駆除するとどうなる?

鳥獣保護法を知らずに許可なく害獣の駆除や捕獲を行うと、罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。また、害獣を捕獲した後に飼育することもNGです。

以下に許可なく害獣の駆除や捕獲をした場合の罰則をまとめたので、目を通しておきましょう。

  • 狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲など:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 鳥獣保護地区での無許可の行為:6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 占有者の承諾なしの鳥獣の捕獲など:50万円以下の罰金
  • 捕獲許可証の不携帯・不提示・虚偽の届出:30万円以下の罰金
  • 捕獲した後に飼育することもNG:6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

鳥獣保護法の対象となる主な鳥獣は?

害獣の中には鳥獣保護法で守られた鳥獣がいると説明してきましたが、具体的にどのような鳥獣が対象となるのでしょうか。

ここでは皆さんの住居に出てくる可能性が高く、駆除や捕獲に許可が必要な害獣を6種類ご紹介します。

イタチ

可愛らしい外見とは裏腹に、凶暴な性格の持ち主であるイタチ。サイズは15~40cm程度と小柄な体格ながら、自分よりも大きなウサギやニワトリも捕食します。また、泳ぎが得意なイタチは海岸部や河川沿いの家屋に住み着くが多いです。

そんなイタチによる代表的な被害といえば、肛門腺から噴出する分泌液の悪臭です。外的から身を守るために噴出する分泌液の臭いは非常に強く、家屋についた糞尿などの臭いはなかなか取れません。

ハクビシン

鼻にある白い筋が特徴的なハクビシン。ハクビシンは何でも食べる雑食性であり、家庭菜園や果樹園を荒らします。また、糞をする場所を決めるとずっとそこに排泄し続ける「ため糞」の習性を持つハクビシンが屋根裏に住み着くと、糞尿により天井が腐食して抜け落ちてしまったり、悪臭やダニの繁殖といった二次被害が発生したりします。

さらに、ハクビシンの体についているマダニから「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」という感染症にかかるリスクもあります。ハクビシンはレッサーパンダに似た可愛らしい外見をしていますが、ハクビシンを見かけても絶対に触ってはいけません。

ネズミ

基本的にネズミ全般は、鳥獣保護法で守られています。しかしながら、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミは環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす恐れがあるため、許可なく駆除することが可能です。

家屋や店舗の屋根裏に住み着くネズミは、家の柱をかじって家屋を傷つけたり、病原菌の媒介となって感染症を引き起こしたりします。とくに鼠咬症(そこうしょう)と呼ばれるネズミに噛まれることによって引き起こされる病気やアナフィラキシーショックなどは、重篤な健康被害を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

アライグマ

可愛らしい外見から、ペットとして人気を博したこともあるアライグマ。しかし、アライグマは農作物を荒らすだけでなく、ため糞の習性があることから害獣として認定されています。

そんなアライグマの糞は非常に臭いが強く、アライグマが屋根裏に住み着くとリビングやキッチンにも悪臭が漂うようになります。

アライグマも成獣になると攻撃性が強くなり、人を襲ってくることもあるため、見つけたときは注意が必要です。

タヌキ

森の食糧不足が原因で、街におりてきて畑の農作物を荒らすようになったタヌキ。臆病なタヌキは人に危害を加えることこそ少ないものの、農作物だけでなく家屋にも被害を及ぼすので早めに対処する必要があります。

タヌキにもため糞の習性があるので、屋根裏に住み着くと天井や柱が腐敗することがあります。また、タヌキにはヒゼンダニが寄生していることがあり、このヒゼンダニが人に寄生すると「疥癬症(かいせんしょう)」という皮膚病を引き起こします。疥癬症は犬や猫などのペットにも感染する恐れがあるので、注意が必要です。

コウモリ

日本に生息するコウモリの中で、最も個体数が多いのが「アブラコウモリ(別名:イエコウモリ)」です。アブラコウモリは家屋を住処にしており、屋根裏や軒下、ベランダ、換気扇などに住み着きます。

コウモリが家屋に住み着くと、糞による悪臭が漂うようになり、ダニ・ノミによる健康被害を引き起こすことがあります。アブラコウモリは集団で行動するので、1匹確認した時点で早急に対処しましょう。

鳥獣保護法で守られた害獣の駆除には免許が必要

害獣駆除には行政による許可が必要な場合があると説明しましたが、実は許可だけでなく免許も必要な場合があります。

罠を設置して害獣を捕獲したり、猟銃を使用して駆除したりしようと考えている方は、まず「狩猟免許」を取得しなければいけません。お金や時間がかかってしまうため、害獣被害に遭っている家庭では現実的ではないでしょう。

ただし、忌避剤を利用して家から追い出すだけなら狩猟免許を取得する必要はありません。

狩猟免許は4種類ある

鳥獣保護法で守られた害獣を捕獲したり、駆除したりするには「狩猟免許」が必要です。狩猟免許には以下の4種類あり、捕獲方法に応じた狩猟免許がなければ害獣の捕獲や駆除はできません。

【狩猟免許の種類】

  • 網猟免許
  • わな猟免許
  • 第一種銃猟免許
  • 第二種銃猟免許

ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミのような鳥獣保護法が適用されない鳥獣については、狩猟免許がなくても駆除して構いません。

しかし、いずれも駆除には感染リスクや怪我の恐れがあるため、自分で駆除する際のリスクを把握しておく必要があります。

害獣駆除は専門業者に依頼しよう!

鳥獣保護法で守られた害獣の駆除は、簡単な作業ではありません。許可申請に手間がかかるうえに、捕獲や駆除方法によっては狩猟免許が必要です。また、駆除の際に噛まれたり、害獣の糞尿から感染症にかかったりするリスクがあるほか、駆除後には害獣を処分しなければなりません。

そこで頼りたいのが害獣駆除の専門業者です。害獣駆除業者に依頼すれば、申請にかかる手間を省けるだけでなく、狩猟免許を取得する必要もありません。そして何より、確実かつ安全に害獣駆除を終えられます。

害獣駆除を検討している方は、ぜひ専門業者への依頼を視野に入れてみてください。

まとめ

鳥獣保護法と害獣駆除には深い関係があり、鳥獣保護法の存在を知らずに害獣駆除をしてしまうと罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。害獣は鳥獣保護法で守られていること、そして、鳥獣保護法で守られた害獣を駆除するには許可や免許が必要なことを念頭に置き、対処法を考えましょう。

害獣駆除を検討している方におすすめしたいのは、専門業者への依頼です。数々の実績がある大帝リビングなら、業界最安価格で確実かつスピーディーに害獣駆除を行います。また、害獣駆除後の清掃や殺菌・消臭の作業もお見積もりに含んでいるので安心です。害獣駆除をお考えの方は、ぜひ大帝リビングにご相談ください。