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2021.11.16

ネズミは冬眠する?冬こそ気をつけたいネズミの被害と対策法4選

ネズミというと冬眠する生き物だというイメージが一般的ですが、住宅に住みつくネズミも冬眠するものなのでしょうか。夏場は天井裏でネズミが走り回る音が聞こえていた住宅でも、冬になってパッタリと音が止まることがあるため、「冬になって冬眠したのかな?」と考える方も多くいらっしゃいます。

この記事では、ネズミの冬眠と冬の対策について紹介します。冬はネズミの駆除に適した季節なので、被害に悩んでいる場合は、ぜひこの機会に対策してみてください。

ネズミは冬眠するの?

そもそも、ネズミは冬眠する生き物なのでしょうか。まずは、冬のネズミの生態について見ていきましょう。

家に住み着くネズミは冬眠しない

結論から言いますと、”家に住み着く”ネズミは冬眠しません。
冬眠するのは、ハタネズミやアカネズミ、ヒメネズミなどの野ネズミのみです。住宅に住みつくクマネズミやドブネズミ、ハツカネズミなどの「家ネズミ」は1年中暖かい環境で生活できるため、冬眠する必要がないのです。

逆を言うと、気温が低い冬はネズミが暖かい場所を求めて天井裏や室内に住み着きやすくなります。そのためネズミが活動しなさそうな冬こそ、十分に対策をする必要があるのです。

冬にネズミの足音がなくなったときに考えられるケース

それでは、夏場は頻繁に聞こえていたネズミの足音が冬になってパッタリと止んだときは、どのような理由が考えられるのでしょうか。

家に住み着くネズミが冬眠しないとはいえ、冬になって気温が10℃以下になると、ネズミは寒さで動きが鈍くなります。そのせいで食材を見つけられなくて死んでしまうこともあるため、動きの鈍さや死んでしまったことによって足音がなくなることがあります。

またネズミと同じように、暖かい場所を求めて室内に入った害獣に食べられて数が減ったことで、足音が聞こえなくなるケースにも注意しましょう。この場合、ほかの害獣による新たな被害に遭うおそれがあります。

夏や秋にネズミ対策をした場合、冬になって足音が聞こえなくなったために「駆除の効果が出た」と勘違いしやすい傾向にあります。しかし、実際には駆除できていないことが多いのです。

冬眠しないネズミによる冬の被害に注意!

ネズミが冬眠したと勘違いして対策を怠ってしまうと、実は冬眠していなかったネズミの活動によって多くの被害がもたらされてしまうかもしれません。冬眠しないネズミによって引き起こされる被害としては、以下のようなものが挙げられます。

精神的被害

・ネズミの足音や鳴き声による精神的不快感
・夜間の騒音による不眠被害

衛生的被害

・鼠咬症(そこうしょう)による発熱や皮疹、関節炎や肺炎など
・糞尿による食中毒や赤痢など
・寄生虫による発疹熱やペスト、ツツガムシ病など

経済的被害

・衣類や家財などの破損
・食べ物をかじられてしまう(衛生的被害にもなります)
・住宅設備の破損
・農作物や家庭菜園の食害

とくに気をつけたいのは、住宅設備の破損です。暖かい屋根裏や床下に入り込んだネズミがガス管や電線を劣化させ、最悪の場合は大きな火事や事故を引き起こしてしまう可能性があります。

冬眠しないネズミは冬の駆除が有効

ネズミの活動量が少ないからと、冬の駆除を逃してしまうことは非常にもったいないです。なぜなら、ほかの季節よりも冬のほうがネズミの駆除効果が高くなるためです。

この章では、冬のねずみ駆除が有効な理由を紹介します。

死骸の腐敗が遅くなるから

ネズミの駆除をおこなうときは、さまざまな罠や薬剤を使うことになります。暖かい時期に罠や薬剤を使ってネズミを捕獲したり殺したりした場合、すぐにでも処分しないと腐敗が進んでダニやノミ、害虫、病原菌の被害拡大を招いてしまいます。

対して冬は死骸の腐敗が進みにくいため、多少処分が遅れても大きな被害に発展することは少ないでしょう。もちろん、冬であってもしっかりと死骸を処分することが大切ですが、ほかの季節よりは余裕をもって対処できるため、駆除のタイミングとしておすすめできるのです。

活動量が減るから

ネズミは冬眠しませんが、寒くなるとエネルギーを温存するために動きが鈍くなります。殺鼠剤を撒いてネズミを駆除する場合、夏だと動きが活発になってしまうため、あちこちに移動されてから死んでしまう個体が出てきます。この場合、家中にあるすべての死骸を完全に処分することは、一般の方には難しくなるでしょう。

冬はネズミの動きが鈍く大きく移動することがなくなるため、毒エサを食べて死んだネズミも処分しやすくなります。また、貴重なエサを求めて罠にかかりやすくなるというメリットもあります。

秋に繁殖した子ネズミが活動し始めるから

種類にもよりますが、ネズミは春(3~5月)と秋(10~11月)に繁殖期のピークを迎えます。冬の寒さをしのぐだけではなく、子育ての準備を整えるためにネズミは住宅に入り込むため、さらに繁殖される前のこのタイミングで駆除することが大切なのです。

秋に生まれた子ネズミは2か月で繁殖能力を持つので、冬のうちに対処すると春の大量繁殖を防げます。

冬眠しないネズミに注意!冬にやっておきたい対策4選

冬は住み着いてしまったネズミの駆除を行うことも大切ですが、暖かくなってから被害が発生することがないよう、この時期に予防を行うことも肝心です。この章では、冬にやっておきたいネズミ対策を5つ紹介します。

1.エサになるものを撤去する

ネズミは雑食で、人や動物が食べるものは何でも食べます。そのため、エサとなりそうなものはすべて撤去しておきましょう。

冬は害虫などの被害が発生しにくいため油断しやすいですが、食材や生ゴミを外に放置するとネズミやほかの害獣が寄ってきてしまうため注意が必要です。仏壇のお供え物や観葉植物、飼料や球根、ペットフードなどもネズミのエサになります。こういったものは外に放置しない、密閉できる容器に保存するなどして、ネズミが食べられない状態にしておきましょう。

2.巣を作らせないようにする

ネズミは屋根裏などに巣を作って繁殖し、子育てをする生き物です。そのため、住宅に巣を作らせないように対策することが重要です。

紙類やティッシュペーパー、ダンボールや断熱材、布やビニールはネズミの巣に利用されてしまいます。家の中はもちろん、家の外にも置かないように気をつけてくださいね。

3.忌避剤で追い出す

忌避剤とは、ネズミが嫌うニオイを発生させて、侵入を防いだり追い出したりする駆除グッズです。定期的に忌避剤を使っているとネズミに住みにくい環境だと判断され、住み着かれにくくなります。

また、ネズミがすでに大量にいる場合は、毒餌や罠で駆除しても繁殖スピードが上回ってしまうことがあります。しっかりとネズミを駆除するためには、罠や薬剤を設置する前に忌避剤である程度の個体を追い出しておくことが有効です。

ネズミの退治や予防に有効な忌避剤としては、以下のようなものが販売されています。
ネズミのすみかや通り道に吹きかける「スプレータイプ」
煙とニオイで追い出す「くん煙剤タイプ」
置いて使用する「設置タイプ」

ただし、同じ忌避剤を使い続けるとネズミが慣れてしまい、効果が薄れていくことがあります。慣れを防いで住みにくい環境だと理解させるためにも、異なった種類の忌避剤を定期的に使用することがおすすめです。

4.侵入させないようにする

ネズミは、最小で1cm程度の隙間があれば侵入してしまいます。そのため、通路となりそうな通気口や排水口にはパテや金網などを設置し、侵入させないようにすることが非常に重要なのです。

とくに侵入経路になりやすいのは、以下のような場所です。

・換気扇
・壁のひび割れ
・建物と基礎のすき間
・雨戸の戸袋のすき間
・屋根の通気口
・屋根瓦のすき間
・エアコンの室外機や配管の取り付け口
・床下の通気口

上記の隙間を手当り次第ふさいでもいいですが、糞尿や汚れ、油や黒い線などといったネズミが通った痕跡(ラットサイン)を探してみるとスムーズです。ラットサインがある場合は、それをもとに侵入経路を割り出すことができます。

冬眠しない冬のネズミを確実に退治したいならプロへ相談しよう

冬は、ネズミを駆除することに適した季節です。家ネズミは冬眠しませんが、動きが鈍くなったり腐敗しにくくなったりして、暖かい時期よりも駆除の手間が大幅に低減されるので、ぜひこれを機にネズミ駆除を検討してみてくださいね。

ただし、冬がほかの季節と比べてネズミを駆除しやすいといっても、一般の方が屋根裏や床下に生息するネズミを完全に駆除することは難しいものです。駆除に失敗すると警戒心が強まり繁殖されてしまい、より大きな被害に遭ってしまうおそれもあります。

確実に駆除したいのであれば、プロに依頼することがおすすめです。専門業者は、フンと死骸の処理や駆除はもちろん、再発防止対策やアフターケアなども行ってくれます。被害が拡大して手遅れになることを防ぐためにも、プロに確実にネズミを駆除してもらいましょう。

まとめ

野生のネズミは冬眠しますが、家に住みつくネズミは1年中暖かい環境で暮らせるため、冬眠することはありません。冬になって足音や鳴き声が気にならなくなった場合は、冬眠以外の原因が考えられますので、気を抜かずに駆除や予防法を実施することが大切です。

冬は、ほかの季節と比べてネズミを駆除しやすい時期です。しかし、知識のない方が自力でネズミを完全に駆除することは難しいので、プロに依頼して駆除や予防策を実施してもらうことをおすすめします。

住宅のリフォームなどを承っている大帝リビングでは、ネズミに関する悩みも受け付けています。現在お住まいの家でネズミの被害に遭われている方は、ぜひ当社まで気軽にご相談ください。