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2022.02.15

ハクビシンから人へ病気がうつるって本当?SARSを含む感染症の危険性と対策法

ハクビシンを媒介して病気がうつる危険性があることを知っていますか?ハクビシンの糞尿や体には多くの病原体が付着していて、糞尿を放置したりハクビシンの体で汚染された場所に触れたりすると、健康被害が生じる可能性があります。

この記事では、ハクビシンが原因となってうつる病気について解説します。ハクビシンが住宅に住み着くことは稀なケースではないので、ハクビシンの被害に遭った際にスムーズに対処できるよう、正しい知識と対処法を押さえておきましょう。

ハクビシンによる人体への被害

ハクビシンが媒介となって引き起こされる病気には、どういったものがあるのでしょうか。まずは、ハクビシンによる人体への被害について詳しく見てみましょう。

ハクビシンとSARSの関係

SARS(重症急性呼吸器症候群)とは、2003年頃に中国南部を起源に感染が広まった新型肺炎です。

感染拡大が収束するまで、32の地域と国で8,000人を超える症例が報告されたSARSは、当時ハクビシンが感染源になったのではないかと言われていました。これは、中国や香港の研究機関が、ハクビシンのフンなどからSARSとよく似たコロナウイルスを検出したと発表したためです。

ハクビシンが病原体となってSARSの感染が拡大したかどうかについての明確な研究結果は、実は未だに出ていません。「ハクビシンが持っていたウイルスが感染拡大を起こしたSARSだったのか」「人間にうつるウイルスなのか」などについては、事実確認できていないのが現状です。

とは言え、ハクビシンが多くの病原体を保有していることは事実なので、不用意な接触がさまざまな病気を引き起こす可能性があることに変わりはありません。SARSはもちろんのこと、ほかの病気を防ぐためにも、ハクビシンには慎重に対処する必要があります。

ハクビシン自体がかかる病気

ハクビシンは高確率で「疥癬症(かいせんしょう)」と呼ばれるヒゼンダニの寄生による皮膚病にかかっており、この病気は人やペットの犬などに感染する危険性があります。

ヒゼンダニが皮膚に寄生するとそこに卵を産んで、角質層に潜り込んでしまうため水ぶくれができます。顔や頭皮を除く全身にブツブツと出来物ができ、強いかゆみに悩まされる症状に注意が必要です。

なお、ブツブツやかゆみが引き起こされる疥癬症は「通常疥癬(カイセン)」と呼ばれます。寄生するダニの数が増えると「角化型疥癬(痂皮型疥癬)」を発症してしまい、全身の皮膚の角質がザラザラと厚くなってしまうことがあります。角化型疥癬は感染力がとても強いため、家族内での感染にも注意しましょう。

ハクビシンに寄生しているノミやダニによる病気

ハクビシンにはノミやダニが多く寄生していて、アレルギーや皮膚疾患の原因になります。また、下痢や嘔吐など消化器官へ影響を与えたり発熱や頭痛を引き起こしたりする「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」のウイルスを持っているマダニにも注意しましょう。

アレルギー症状やSFTSといった病気は、重症化すると命に関わる危険性があります。「たかがノミやダニだから」と油断せず、しっかりと対策や消毒を行うことが大切です。

ハクビシンの糞尿による健康被害や住宅被害

ハクビシンの糞尿も、人体に被害をもたらす可能性があります。特に皮膚に関する健康被害や、呼吸器系に関する健康被害などのケースが多くみられています。糞尿には多くの雑菌や病原菌が含まれていますし、放置された糞尿に集まってくるノミやダニ、害虫なども人間やペットに健康被害をもたらすおそれがあるため注意が必要です。

さらに、糞尿を放っておくと悪臭が強くなって住環境が悪化する可能性があり、木材が腐敗して天井が抜け落ちてしまうこともあります。リフォームが必要になるケースも少なくないので、糞尿を見つけたら早めに対処しましょう。

ハクビシンは危険な動物?どんな性格?

さまざまな病気を引き起こすリスクがあるハクビシン。住宅周辺で発見したらすぐにでも対処したいものですが、ハクビシン自体はどのような性格でどれほど危険な動物なのでしょうか。

ハクビシンは繁殖力が強い雑食性の動物で、人に多くの被害をもたらす害獣ですが、非常に穏やかでおとなしい性格です。そのため、もし遭遇してしまっても人を襲うことはほとんどなく、びっくりして逃げていくことが多い傾向にあります。

人に噛み付いたり攻撃してきたりすることは少ないのですが、むやみに近づくことは避けましょう。非常にまれですが、危険を察知したときに自己防衛手段として人やペットを襲うことがあります。しっかりと準備を整えてから駆除や退治を行ってください。

ハクビシンは自分で駆除できるの?

家族やペットの健康や住宅を守るために、ハクビシンを自分で駆除したいと考えている方もいることでしょう。そもそも、ハクビシンは一般の方が自力で駆除できる生き物なのでしょうか。

害獣として知られているハクビシンですが、実は「鳥獣保護法」で保護されているため、勝手に駆除することはできません。市役所や保健所で駆除の許可を取らなければ捕獲できませんし、捕まえたあとはハクビシンを自分で処分する必要があります。したがって、一般の方だけでハクビシンを駆除することは極めて難しいのです。

もし自宅にハクビシンが住み着いているのであれば、専門業者に依頼して許可申請や処分を代行してもらったほうがスムーズでしょう。安全かつ確実にハクビシンを駆除でき、住宅の消毒や再発防止対策も行ってもらえます。

鳥獣保護法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしておきましょう。

ハクビシンを寄せつけないようにするには

ハクビシンが住宅に住み着くと健康被害や住宅被害などが拡大しやすく、駆除も大変です。そのため、ハクビシンを住宅に寄せつけないための対策をして、被害を未然に防ぐことが非常に大切なのです。

この章では、ハクビシンの予防策について3つ紹介します。

市販のハクビシン退治アイテムを使う

ハクビシンは、市販のアイテムを使用することで退治できます。専門業者ほどの確実性や持続性はありませんが、予防や応急処置をしたいときは十分に効果を発揮してくれるでしょう。

一般の方でも手に入れられるハクビシンの退治アイテムとしては、以下のようなものがあります。

費用の相場

特徴

忌避剤

1,000~5,000円

ハクビシンの住処や侵入経路に設置したりスプレーしたりして、ニオイで追い出す。

くん煙剤

1,000~1,500円

ボタンを押したり薬剤を混ぜたりして、煙とニオイでハクビシンを追い出す。

超音波器

2,000~5,000円

ハクビシンの住処や侵入経路に設置し、人間には聞こえない不快な音で追い出す。

こういった忌避剤は一時的に有効ですが、ニオイや音に慣れたハクビシンが戻ってくる可能性もあるため注意しましょう。しっかりと退治したいなら、専門業者による駆除が欠かせません。

家の周りを掃除する

ハクビシンはエサがある場所に住み着きやすいので、住宅の周辺はキレイに掃除しておきましょう。基本的には果物や野菜を好んで食べますが、雑食なので食べられるものであれば何でもエサになる可能性があります。

家庭菜園や畑で野菜や果物を育てている場合は、柵を設置するなどの対策が必要です。ペットのエサや生ゴミなども食害に遭うので、室内で保管するか密封できる容器を用意しましょう。

ハクビシンの侵入経路をふさぐ

ハクビシンは住宅に侵入して住み着いてしまうため、侵入経路になりそうな場所を徹底的にふさぐことも大切です。

外壁が脆くなった場所や天井裏に穴が空いている箇所などは、侵入経路になりやすいです。また、屋根に向かっている長い木の枝や通気口、換気扇などから入り込んでしまうこともあるため、金網や害獣侵入防止用ネットなどでふさいでおきましょう。

ハクビシンの巣や糞を掃除して消毒する

もしも住宅にハクビシンが住み着いていたり、糞をしていたりする場合は、その部分を掃除して消毒することも忘れてはいけません。たとえ一度ハクビシンを追い出せたとしても、ニオイが残っていると戻ってきてしまう可能性が高いためです。

腐敗を防止するためにも糞やハクビシンの死骸などはしっかりと取り除き、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムで周囲を殺菌しましょう。掃除や消毒に使ったアイテムには雑菌が付着していることが考えられるので、使用後は袋で密封して処分しておくと安心です。

まとめ

体や糞尿に多くの雑菌や病原体が付着しているハクビシンは、人やペットに健康被害をもたらすリスクが非常に高いです。不用意に触ったり近づいたりすると病気にかかる危険性があるため、慎重に対処しましょう。

ハクビシンはおとなしい性格ですが、知識のない方が自力でハクビシンを駆除したり、糞尿に触れたりすることは非常に危険です。病気だけではなく、攻撃されて怪我してしまうおそれもあるため、プロの業者に対処を依頼した方が安全かつ確実でしょう。

住宅のリフォームなどを承っている大帝リビングでは、ハクビシンに関する悩みも受け付けています。現在お住まいの家でハクビシンの被害に遭われている方は、ぜひ当社まで気軽にご相談ください。