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2021.10.01

アライグマを自分で駆除する手順を解説!退治方法や業者に依頼する費用とは

アライグマの駆除や退治をしたいときは、どのような手順でどのような方法を用いて対処すればいいのでしょうか。アライグマは「鳥獣保護法」で保護されているので、駆除するためには決められた手順を守る必要があります。

この記事では、アライグマの駆除や退治の方法について解説します。住宅や健康を守るためにも、対処方法について正しい知識を身につけておきましょう。

アライグマってどんな生き物?

アイマスクをしているように目の周りが黒く、ふさふさとした毛並みが印象的なアライグマ。可愛いらしい見た目のアライグマですが、住宅や健康、農作物に被害を及ぼす害獣であるため、見かけたら駆除が必要です。

正しく駆除するためにも、まずはアライグマの生態や特徴、ほかの動物と見分けるために押さえておきたい特徴を見ていきましょう。

アライグマの生態

前足を使って物を洗う仕草が印象的なアライグマは、アライグマ科アライグマ属に分類されるほ乳類の総称です。「食べ物を洗って食べる習性があるからアライグマと呼ばれる」と認識されていますが、本来は「前足で水中の獲物を捕獲する姿が手を洗っている用に見える」ことが、アライグマの由来だとされています。

押さえておきたいアライグマの生態は、以下のとおりです。

  • 何でも食べる雑食
  • 指を使って物を動かしたり木を登ったりできる
  • 夜行性だが、日中も活動する
  • 巣を作らず屋根裏やほかの動物の巣などに住み着く
  • 春と秋に繁殖する
  • 上下移動や水中移動など、行動範囲が広い
  • 発情期や突然の遭遇、捕獲などにより凶暴化する

アライグマは手先が器用で学習能力が高く、両生類や爬虫類、昆虫やほ乳類、鳥類や植物などあらゆるものを捕食する雑食です。物を掴んだり高い場所に登れたりするため、柵で囲まれた畑や住宅の屋根裏にも侵入することが可能です。

また、狭いところを好み泳ぎが得意という特性も持っています。繁殖期は春ですが、秋に再繁殖することもあります。10cm未満の狭い隙間でも入り込むことができるため、「少しの隙間だから大丈夫だろう」と油断していると、あっという間に繁殖されてしまうでしょう。

可愛らしい顔をしていますが、成獣は気性が荒いため近づくのは非常に危険です。必ず正しい手順で、安全に配慮しながら駆除しましょう。

アライグマの特徴

アライグマの特徴は、以下のとおりです。

体の色 ・鼻筋と目の周りが黒い
・毛が長く、背中には銀色や淡い茶色の毛が混在
・お腹は灰色の被毛
体の大きさ ・胴体は40~60cm程度
・体重約3.5~10kg
手足 5本指に分かれている
尻尾 ・20~40cm程度
・5~7本ほどの縞模様がある
鳴き声 「クルクル」という鳥のような鳴き声
すみか ・廃材などの下
・天井裏
・ほかの動物が掘った穴

アライグマはハクビシンやたぬきと間違われやすいですが、鼻に白い筋が入っていれば「ハクビシン」、尻尾が短くて縞模様がなければ「たぬき」と見分けることができます。

現在、日本ではアライグマを外来生物法によって「特定外来生物」に指定しているため、無許可で飼育や販売、譲渡することはできません。捕獲した場合は、必ず適切な方法で処分しましょう。

アライグマがもたらす被害

アライグマが住宅に住み着いてしまうと、住宅被害だけではなく健康被害、人やペットが怪我するリスク、食害などが発生する恐れがあります。そのため、少しでも心当たりがある場合は、できるだけ早めに対処することが肝心です。

以下では、アライグマがもたらす被害について詳しく解説します。

住宅を傷めてしまう被害

アライグマが住宅に住み着くと、建材や設備が破損される被害が生じます。具体的には、以下のような被害に注意しましょう。

  • 糞尿による悪臭
  • 屋根板の腐食
  • 屋根裏にある断熱材の破損
  • 電気配線や設備配管の破損による事故
  • ひっかき傷などによる建造物の破損

気をつけたいのが、一定の場所にまとめて糞をする「ため糞」の習性です。天井に住み着いたアライグマを放っておくと、糞が大きなシミを作ったり強い悪臭を放ったりすることがあります。

また、屋根裏の電気配線や設備配管を破損されてしまうと、最悪の場合は火災などの大事故につながるリスクがあります。天井の異変に気づいたときは、早めに点検をしてもらいましょう。

不衛生な環境による健康被害

アライグマは、さまざまな感染症を媒介する生き物として知られています。たとえばアライグマが出現することで、以下のような感染症や寄生虫のリスクが高まります。

  • マダニ
  • 喘息
  • アライグマ回虫
  • アライグマ糞線虫
  • 狂犬病

こういった健康被害は、アライグマと接触することで発現します。アライグマに触れたときはもちろん、移動経路や糞などに触れた際は、よく消毒したうえで皮膚科の診察を受けてください。

人やペットが襲われて怪我をする被害

アライグマは可愛らしい顔をしていますが、とても凶暴な生き物です。人やペットが襲われると大怪我をするだけではなく、感染症や寄生虫の感染リスクが高まるため気をつけましょう。とくに、発情期や子育て中の個体は攻撃的な性格をしているので、決して近づかないようにしてください。

大人は正しく対処できても、子どもや小動物のペットが興味を持って接近してしまう可能性があります。最悪の場合、かじられて大怪我する恐れがあるため、しっかりと見守ってあげるようにしましょう。なかには、ペットが食べられてしまったケースもあるようです。

農作物や生ゴミを食べられる食害

アライグマは、家庭菜園などで育てた農作物や生ゴミを食べ散らかしてしまう「食害」をもたらすこともあります。五本指の手を器用に使ってネットや袋を明けることが可能で、学習能力が高くて農作物の皮をむいて食べることもあります。

屋外の農作物やゴミが器用に食べられている痕跡がある場合は、アライグマの仕業と考えて間違いないでしょう。

アライグマを自分で駆除する手順

アライグマはさまざまな被害をもたらすため、見つけたらすぐに駆除することが大切です。しかし、感染症リスクや凶暴な性格を持つアライグマを素手で捕まえようとしたり、見つけたときに近づいたりすることはとても危険なので避けるべきです。

それでは、アライグマはどのように駆除したらいいのでしょうか。ここからは、アライグマを自分で駆除する手順について解説します。

1.自治体に許可をもらう

アライグマを駆除するときは、はじめに自治体に許可をもらう必要があります。

アライグマは外来生物法に規定された「特定外来生物」で、鳥獣保護法で保護されているほ乳類です。害獣とはいえ、法律で保護されたアライグマを自治体の許可や狩猟免許なしで駆除することはできません。

自分で駆除するときは役所や保健所に連絡し、捕獲と駆除の許可を受けるための申請を行いましょう。必要な申請書類の一例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採卵等の許可申請書
  • 有害鳥獣被害状況調査書
  • 捕獲区域・場所を明らかにした地図や図面 など

必要な手続きは自治体によって異なるため、しっかりと問い合わせておきましょう。それが難しい場合は駆除業者に依頼したり、後述する退治法で追い出したりして対処することを推奨します。

2.アライグマを捕獲する

自治体から許可が降りたら、実際にアライグマを捕獲しましょう。アライグマの捕獲方法には、以下の3つがあります。

  • 手取り:素手や虫取りアミのようなもので捕まえる
  • 射殺駆除:鉄砲や改造した空気銃などで射殺する
  • 罠捕獲:檻カゴや虎バサミなどで捕まえる

手取りと射殺駆除は一般人にはハードルが高いため、一般的には「罠捕獲」が採用されることが多いです。

アライグマの捕獲に使用されるのは、おもにケージ型の箱罠です。箱罠は5,000~3万円程度で購入できますが、自治体によっては無料で借りることも可能です。

なお、箱罠には以下の2種類があります。

  • 踏板式箱罠:エサを求めて中に入ったアライグマが踏み板を踏むと入り口が閉まる仕組み
  • 釣り餌式箱罠:上面にぶら下げたエサが食べられると入り口が閉まる仕組み

ただし上記のような罠捕獲は、原則として狩猟免許がないとできません。一般の人が設置することは難しいため、プロに対処を依頼したほうがスムーズでしょう。

3.捕獲したアライグマを処分する

罠などで捕獲したアライグマは、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」によって捕獲者が責任を持って処分することが義務付けられています。単に処分するのではなく、苦痛を与えない方法で処分しなくてはいけない点が大きなポイントです。

害獣とはいえ、ご自身で生き物を処分するのは心苦しいことでしょう。その場合は自治体に相談すると、処分方法を教えてもらえたり引き取ってもらえたりします。捕獲してから慌てないように、許可を申請するときは処分方法についても問い合わせておきましょう。

4.侵入経路の封鎖と消毒

最後に、アライグマが再度住み着くことを防ぐために侵入経路を封鎖します。この際、糞尿などを処分しておかないと住宅の劣化や悪臭を招いてしまうため、しっかりと清掃と消毒をしてから塞ぐことをおすすめします。

またアライグマは病原菌を持っているので、作業時に着用した衣類は処分し、体や髪の毛は隅々まで洗っておいてください。すみかや侵入経路、使用した道具は念入りに消毒します。

自分で侵入経路を塞いだり消毒したりするときは、以下のアイテムを用意しましょう。

アイテム 概要 価格の目安
殺菌スプレー 次亜塩素酸ナトリウム系などの強力なものを選ぶ 1,300円
帽子 狭い場所で作業を行う場合、安全のためにヘルメットを使用する 2,000円
マスク・ゴーグル 病原菌の飛散対策のため、防塵性に優れたマスクやゴーグルを着用する 3,000円
手袋 手に病原菌が付着しないよう、厚めのゴム手袋を装着する 3,500円
金網 侵入経路を塞ぐために使用する。10cm以下でも侵入されてしまうため、徹底的に隙間を埋める。 1,300円

上記の道具を揃えようとすると、1万円程度の費用がかかります。それ以外にも金網の設置などは設置するための工具なども必要になります。アライグマの侵入経路や移動経路を特定することは難しいので、家中をくまなく消毒する必要があることを考えても、コストだけではなく手間もかかる作業になるでしょう。

安全面と衛生面に配慮するのであれば、防護服の着用がおすすめです。しかし、一般の人は入手しにくいですし、季節によっては熱中症のリスクもつきまといます。

このように、アライグマを自分で駆除することには、多くの苦労と危険が伴うのです。

アライグマを確実に駆除するなら専門業者がおすすめ

ここまでアライグマを自分で駆除する方法について詳しく解説しましたが、確実に駆除したいのであれば専門業者へ依頼することを推奨します。この章では、その理由や業者に依頼するときの費用について見ていきましょう。

DIYによるアライグマ駆除をおすすめできない理由

アライグマの駆除を業者に依頼することについておすすめする理由は、一般の人が駆除することには多くのハードルがあるためです。

先述してきたように、アライグマは気性が荒く、さまざまな病原体を持っています。したがって、一般人が容易に近づくことは非常に危険です。また、駆除の際は許可をとったり免許が必要になったり、生き物を処分したりと、時間的な負担だけではなく精神的な負担も生じます。

せっかく苦労して駆除したと思っても、駆除し損ねたほかの個体が繁殖してしまい、また被害に悩まされることもあるでしょう。一般の人がアライグマを完全に駆除することは、難しいことなのです。

専門業者に依頼すれば、申請や処分などを一任することができるほか、専門知識を生かしてアライグマを完全に駆除し、再度住み着くことを防いでくれます。手間を抑えて確実にアライグマを駆除したいのであれば、専門業者への依頼がおすすめなのです。

業者によるアライグマ駆除にかかる費用

業者にアライグマ駆除を依頼するときの費用は、2~5万円程度が目安です。なかには数年間の保証がついていて、再出現したときの対処や無料の点検を行ってくれる業者もあります。安心して任せたいのであれば、こういった保証がついている業者がおすすめです。

なお詳細な価格は、作業内容や罠の設置数、封鎖する侵入経路の数などによって異なります。無料調査を行ってくれる業者であれば納得したうえで依頼できるため、まずは何社か見積りを依頼してみましょう。

【届出不要!】アライグマを自分で退治・予防する方法

アライグマを自分で駆除するときは届出が必要ですが、家から追い出して退治するだけであれば、届出や資格は不要です。最後に、アライグマを自分で退治・予防する方法について4つ説明します。

ただしここで紹介する退治方法は、確実性のある方法ではありません。すでに深刻な被害が出ているときは、すぐにでも専門業者に見てもらうことをおすすめします。

市販のアライグマ退治アイテムを使用する

アライグマは市販のアイテムでも退治できます。アライグマの退治に有効なアイテムには、以下のようなものがあります。

費用の相場 特徴 使い方
忌避剤 1,000~5,000円 アライグマが嫌うニオイで追い出す アライグマのすみかや侵入経路に設置する
燻煙剤 1,000~1,500円 バルサンのように、アライグマが嫌うニオイの煙を出して追い出す ボタンを押したり薬剤を水と混ぜたりして煙を発生させ、アライグマのすみかに充満させる
超音波 2,000~5,000円 アライグマが嫌う音を発生させて追い出す アライグマのすみかや侵入経路に設置する

 

上記のアイテムは一定の効果がありますが、エサ場だと認識されたあとだと効果が現れにくいため注意しましょう。あくまで、一時的に追い出したり予防したりするためのグッズであることを理解しておいてください。

アライグマが苦手なニオイを利用する

アライグマは刺激の強いニオイを嫌うため、苦手とするニオイを利用すれば追い出したり住み着くことを防いだりすることができます。

アライグマが苦手とするニオイとしては、以下のようなものがあります。

  • ハッカ油
  • 木酢液
  • 木タール
  • ハーブ
  • 唐辛子
  • 天敵の尿の臭い など

忌避剤と同様に、すでにエサ場だと認識していたり子育て中だったりすると、ニオイだけでは完全に追い出せません。この場合は、しっかりと駆除する必要があります。

エサとなる食材を撤去する

アライグマはエサ場と認識した場所に戻る習性があるため、徹底的に食材を撤去することが退治や予防につながります。見た目が可愛いので、子どもがつい餌付けしてしまうことがあるかもしれませんが、餌付けも決して行ってはいけません。

家庭菜園をしている場合、落ちた実などはすぐに撤去するようにしてください。また、生ゴミやペットのエサなどを外に置かないこともアライグマ退治には有効です。

室内に侵入させない

室内に侵入させないよう、侵入経路を徹底的になくすことも大切です。たとえば、以下のような対策が侵入防止には効果的です。

  • 屋根裏に入り込めるような木の枝は切る
  • 換気扇や床下通気孔などの隙間を金網などで閉じる
  • 家庭菜園をしている場合は電気柵やフェンスを設置して家に近づけない
  • 継続的に忌避剤を使用して警戒させる など

アライグマは手先が器用で行動範囲が広く、学習能力も高い動物です。一般の人が完全に侵入経路を塞ぐことは難しいため、しっかりと対策をしたいのであれば専門家からアドバイスをもらうようにしましょう。

まとめ

アライグマが家に住み着くと、住宅被害や健康被害、怪我や食害などのリスクが高まってしまいます。見た目は可愛いですが、人にとって危険な害獣であるため、見かけた際は早めに対処しましょう。

知能が高くて行動範囲が広いアライグマは、専門知識がないと完全に駆除することはできません。また、駆除の際は届出や処分などにかかる負担が大きいため注意しましょう。手間やコストを抑えて確実に駆除したい場合は、業者に依頼したほうが安心です。

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