2021.11.30
イタチのフンの安全な処理方法を解説|見分け方と予防法で被害を止めよう
イタチのフンが住宅周辺にある場合、屋根裏や床下に住み着かれている可能性が高く、放っておくと健康や住宅に甚大な被害がもたらされてしまうかもしれません。もしイタチのフンを見つけた場合は、できるだけ早くフンを処分してイタチを駆除する必要があります。
この記事では、イタチのフンを安全に処理する方法や予防方法について紹介します。フンを処理するだけではなく、イタチを駆除して再発を防止するためにも、正しい知識を身につけておきましょう!
イタチのフンの特徴
イタチのフンを正しく見分けるためにも、まずはフンの特徴を知っておきましょう。住宅には、イタチ以外にもタヌキやアライグマ、ハクビシンなどが住み着きやすいため、それぞれのフンの違いを簡単にまとめておきました。
イタチ |
タヌキ |
アライグマ |
ハクビシン |
|
大きさ |
6mm程度 |
2~3cm |
5~18cm |
5~15cm |
見た目 |
細長くてしっとりしている |
丸くて黒い |
さまざまな形 |
丸くて細長い |
含有物 |
体毛や種子など |
種子や昆虫 |
動物の骨や種子 |
種子 |
ニオイの強さ |
強烈 |
強烈 |
強烈 |
あまり強くない |
イタチのフンかどうかを見分けるときは、大きさや水分量、体毛が含有されているかどうかがポイントになります。ほかの害獣と比べるとフンが小さめなので、比較的見分けやすいでしょう。
イタチがフンをする場所
イタチは、住処のそばでフンをしないという習性を持った動物です。一箇所にまとめてフンをする「ためフン」をする習性があり、同じ場所にフンが集まる点が特徴的です。そのため、大量のフンを発見してびっくりしてしまうこともあるかもしれません。
もっとも多いのが、イタチに屋根裏にフンをされてしまう被害です。屋根裏のフンは気づきにくいだけではなく、天井にフンが染み出したり、放置した末に天井が腐って抜け落ちたりすることも少なくはありません。最悪の場合、大規模な天井のリフォームが必要になることもあるため、とくに屋根裏のフン被害には注意が必要です。
イタチのフンによる被害
住宅にイタチのフンがあると、健康被害と住宅被害の2種類の被害が発生します。
健康被害
イタチのフンにはダニやノミ、害虫などが繁殖してしまうため、放置していると住宅の衛生環境が悪化してしまいます。アトピーや鼻炎、皮膚疾患を引き起こす可能性があるので、アレルギー体質の人や小さい子どもがいるご家庭ではとくに注意が必要です。
また、イタチは狂犬病などの病原菌を保有していて、フンを経由して人やペットに感染する恐れもあります。たとえフンを見つけたとしても、不用意に近づいたり素手で処分したりすることは絶対に避けてください。
住宅被害
屋根裏などに大量のフンをされてしまうと、住宅で生活する際に強烈なニオイに悩まされるでしょう。「自分が生活している頭上が動物のトイレになっている」なんて、考えただけでも恐ろしいことですよね。
フンは家を汚染して住環境を悪化させるだけではなく、天井から染み出したり天井の木材を腐敗させてしまうこともあります。放置した結果、腐敗した屋根や床が崩れてきてしまうケースも少なくありません。
こうなってしまうと、イタチの駆除やフンの処理だけではなく、住宅の補修を行う必要も出てきます。住宅に大きな被害が出て手遅れになる前に、イタチのフンは早急に処理しないといけないのです。
イタチのフンを処理する方法
イタチのフンには多くの病原菌が含まれているため、正しい手順で処理することが重要です。ここでは、イタチのフンを処理する手順を3ステップで紹介します。
1.必要なアイテムを用意する
安全にイタチのフンを処理するためにも、まずは必要なアイテムを揃えましょう。用意しておきたいのは、以下のようなアイテムです。
アイテム名 |
概要 |
価格の目安 |
肌の露出が少ない服装 |
フンが直接肌に触れないよう、自宅にある不要な長袖・長ズボンの服を用意する。 |
購入する場合は |
マスク・手袋・防護メガネ |
フンに付着した菌が体内に入らないよう、必ず用意する。 |
3,000円 |
ダニやノミの殺虫剤 |
フンをされた場所の周辺に生息するダニやノミを駆除するために必要となる。 |
1,000円/本 |
ほうき・ちりとり |
フンを集めて処分するために使うので、すぐに処分できる安いものを用意する。 |
~500円 |
消毒液 |
しっかりと病原菌を消毒するためにも、殺菌効果の高い次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした消毒液を使う。 |
1,000~2,000円 |
ペット用消臭剤 |
獣臭やフンの悪臭を取り除くために、ペット専用の消臭剤を用意する。 |
1,000円/本 |
雑巾 |
清掃したあと、住宅を拭くために使用する。念のため3~4枚程度用意しておくと安心。 |
300円 |
次亜塩素酸ナトリウムやペットの消臭剤は、皮膚に触れたり吸い込んだりすると健康に被害を及ぼす恐れがあります。使用する際は十分に注意することはもちろん、子どもやペットが近づかないように気をつけながら作業をしましょう。
2.フンを集めて処分する
必要なものを用意できたら、フンを集めて処分します。イタチのフンは同じ場所に集められていて目立つため、見つけることはそう難しくないでしょう。
病原菌が舞い上がらないようにそっとホウキとちりとりで掃き取り、袋に入れてしっかりと密封しておきます。また、このとき使ったアイテムは衛生的に問題があるためすべて処分してください。
3.消毒して侵入経路をふさぐ
最後に、消毒したうえで侵入経路をふさいで再発を防止します。雑巾でフンがあった場所をしっかりと拭き取り、次亜塩素酸ナトリウムの消毒液とペット用消臭剤をまんべんなく吹きかけましょう。
その後、再度雑巾で拭き取り、汚れやニオイが気にならなくなったらフンの処理は完了です。使った雑巾は処分し、消臭剤のボトルなどもしっかりと消毒してからしまうようにしてください。
イタチのフンを予防する方法
イタチのフンは一般の方でも自力で処理することができますが、手間と感染症の危険がともなうため、そもそもフンをさせないように予防することが肝心です。イタチのフンを予防したいときは、3つの対策法が有効です。
害獣対策グッズを使う
ホームセンターやインターネット通販には、多くの害獣対策グッズが販売されています。イタチが出没しやすい屋根裏や侵入口、通り道に害獣対策グッズを設置したり撒いたりすると、イタチの侵入や住み着きを防ぐことが可能です。
イタチのフンを予防する効果がある害獣対策グッズとしては、以下のようなものがあります。
対策グッズ |
特徴 |
価格の目安 |
クレゾール石鹸液 |
植物油を水酸化カリウムで鹸化し、クレゾールを加えた混合液。消毒薬としても使われ、イタチが嫌うニオイを発する。 |
300~600円 |
木酢(もくさく)液 |
木炭や竹炭を製造するときの煙成分を冷却して得られた水溶液で、イタチが嫌うニオイを発する。 |
500~1,000円 |
燻製チップ |
食用の燻製チップからは、イタチが嫌うニオイが発生する。比較的成分の安全性が高く、子どもやペットがいる家庭でも安心。 |
500~1,000円 |
害獣用忌避剤 |
イタチが嫌うニオイを発して侵入を防ぐ。スプレーや設置タイプ、くん煙剤などがある。 |
1,000~1,500円 |
害獣撃退ライト |
光でイタチを威嚇して追い出す。 |
1,000~2,000円 |
超音波発生装置 |
イタチが嫌う音を発生させて追い出す。 |
2,000~5,000円 |
1種類の対策グッズを使い続けると、イタチが刺激に慣れて効果が薄れてしまいます。複数の方法を組み合わせて活用することで、しっかりとイタチの侵入を防げるでしょう。
クレゾール石鹸液や木酢液の原液、忌避剤などは、子どもやペットが誤って触れたり吸い込んだりすると非常に危険です。安全に配慮しながら使用してくださいね。
侵入口をふさいで住宅に入れない
イタチは、3~5cmの小さい隙間があれば住宅に侵入してしまいます。住宅に侵入されることを防ぐためには、こういった侵入口を徹底的にふさぐ必要があります。
イタチの侵入経路となりやすいのは、以下のような場所です。
・屋根と外壁の隙間
・通気口
・エアコンと室外機をつなぐホースの隙間
・縁の下
・壁の穴
こういった隙間がある場合は、強度の高い金網などを使ってふさいでおくことをおすすめします。
住宅の周辺を清潔にしておく
イタチは、エサや身を隠す場所が多い住宅に好んで住み着きます。そのため、生ゴミやペットの餌、家庭菜園など、イタチのエサになるものがあると住処にされやすい傾向にあるのです。
また、住宅の周りにダンボールなどのゴミが置かれていたり雑草が生い茂っていたりすると、住みやすい環境だと思われてしまいます。イタチの被害を予防したいのであれば、エサや隠れられる場所を徹底的に排除して、住宅周辺を清潔にしておくことが大切です。
イタチのフンの調査・駆除・消毒なら業者に頼ろう
ここまで、イタチのフンを自分で処理する方法を紹介しました。しかし、いくら気をつけて作業をしても、専門知識のない方がイタチのフンをすべて処理したり再発を完全に防止したりすることは難しいものです。なにより、感染症リスクや住宅を傷めてしまう可能性が高く、自己判断で作業をすることは危険です。
イタチのフンの処理や個体の駆除、再発防止を検討しているのであれば、絶対に専門知識を持つ業者への依頼をオススメします。2~6万円程度の費用負担で、すみずみまで消毒をしてもらい、イタチを完全に駆除することが可能です。
自己判断で対処してしまうと健康や住宅に被害が生じてしまう恐れがあるので、少しでも不安がある場合は、業者に相談してみてください。
イタチを自分で駆除する際のポイントと注意点
最後に、イタチを自分で駆除するときのポイントを紹介します。イタチを駆除する際は、これから紹介する2つの注意点を必ず守ってください。
なお、イタチの詳しい駆除方法はこちらの記事で紹介しています。あわせてチェックしてください。
イタチの駆除・退治方法を4ステップで解説!侵入を防ぐ対策も紹介
自治体への申請と許可が必要
イタチのオスを駆除するときは自治体への申請と許可が必要で、メスは鳥獣保護法により駆除が禁止されています。具体的に駆除可能なイタチの種類や性別、許可の申請方法は自治体によって異なりますが、勝手に駆除すると「鳥獣保護管理法違反」となり懲役刑または罰金刑が課せられるため、注意しましょう。
罠で捕獲したら自分で処分する
イタチを駆除するために罠などで捕獲したあとは、捕獲者自身が処分することが義務づけられています。イタチの場合、自宅から離れた野山へ放すか、炭酸ガスや麻酔などで安楽死させるなどの方法を取ることが多いです。
自分で処分することが難しい場合、自治体に相談すると処分方法を案内してもらえるかもしれません。許可を申請する際、一緒に処分方法についても尋ねておくとスムーズでしょう。
まとめ
住宅の周辺に細長くて小さいフンがまとまって落ちている場合は、イタチが住み着いている可能性が高いです。イタチのフンは人体や住宅へ被害をもたらす危険があるため、見つけたらすぐにでも処理しましょう。
イタチのフンは一般の方でも処理できますが、感染症のおそれや再発のリスクがともないます。最悪の場合、住宅を破損させてリフォームが必要になるケースもあるため、専門知識を持つプロに対処してもらうと安心でしょう。
住宅のリフォームなどを承っている大帝リビングでは、イタチのフンに関する悩みも受け付けています。現在お住まいの家でイタチの被害に遭われている方は、ぜひ当社まで気軽にご相談ください。
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